毎週の説教メッセージ

off 苦難をも誇りとする信仰

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説教:最上 光宏牧師

ローマの信徒への手紙5:1-5

 信仰によって義とされるということは、神との間に平和を与えられることであり、神の栄光にあずかることです。パウロはこの大きな喜びを「誇り」という言葉で言い表しています。それは他人に誇るのではなく、「喜び祝う」という意味です。この誇りは「苦難をも誇りとします」と言い換えられています。神から与えられる大きな喜びは、苦難によって潰されてしまうようなものではなく、苦難の中にあって、苦難をも喜びに変えてしまう力なのです。苦難にもかかわらず喜ぶのではなく、苦難そのものを喜び祝うのです。そしてパウロは「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを(わたしたちは知っている)」と言うのです。これは忍耐や練達を奨励した言葉ではありません。「生み出す」という言葉が重要な意味をもっているのです。信仰を持って担う苦しみには、生産的な意味があるのです。東北教区の議長が東日本大震災の被害地報告を京都で行ったとき、ある牧師から「地震を地震のまま、津波を津波のまま、原発事故を事故のままにしておいてよいのか」と問われたそうです。闇の中に光を灯し、無から有を生じさせる神に信頼して、苦難の中から新しい希望を見出して生きよ、という励ましの言葉として受けとめたというのです。私たちのために苦難を担われた主は復活されたのです。

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