毎週の説教メッセージ

off 霊と肉

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説教:最上 光宏 牧師

ローマの信徒への手紙8:1-11

 昔読んだ本の中にスティーヴンソンの「ジキル博士とハイド氏」というのがあります。人間の中にある二面性(二重性)を鋭く描いた小説として話題になりました。ジキル博士は自分の内に、相異なる二人の自分がいて、互いに足を引っ張り合っていることに悩み、それぞれを分離する薬を発明します。その薬を飲むと博士の様相まで変わり、粗野で乱暴な全く別な人格に変容するのです。これがハイド(隠れるの意)です。博士は夜な夜なハイドに変身して、自由奔放な生き方をし、殺人まで犯してしまいます。彼はジキル博士になりきって、事件は迷宮入りになるのですが、また薬に手をつけハイドに戻ったが最後、薬が効かなくなりジキル博士に戻れなくなり悲惨な最期をとげるという物語です。

 パウロの霊と肉の葛藤の中に、私たち人間の内面にある二面性(二重性)を思い、悩み多き若き日のことを思い起こします。しかしパウロがローマ書で訴えていることは、神の圧倒的な愛とキリストの恵みに感謝しつつ、その光に照らされた自らの影(罪)を見つめつつ、イエス・キリストの十字架の死と復活が自分の救いのためであったということです。「今や、キリスト・イエスに結ばれている者は、罪に定められることはありません」。私たちはキリストの霊の導きのもとにあるのです。

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