毎週の説教メッセージ

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「朽ちる富のためではなく」

最上 光宏牧師

ヤコブの手紙4:13-5:6

自分で計画をたて、自分の意志と力で自分の人生を切り拓いていくことは大切なことです。しかしヤコブは「むしろあなた方は『主の御心であれば、生き永らえて、あのことやこのことをしよう』と言うべきです」と勧めています。私たちの命は自分のものではなく、神から貸し与えられているものであるからです。まず神の御心を祈り求め、主の御心に従って歩ませていただくという姿勢が大切なのです。人の命は短く、「やがて消えていく霧」のようなものであるからこそ、何をどのようになすべきかという「生の質」が問われるのです。
続いてヤコブは富んでいる人たちに、「自分の不幸を思って泣きわめきなさい」と呼びかけます。「富は朽ち果て、衣服には虫が付き、金銀もさびてしまう」からです。目に見える富や財産は、私たちの人生に究極の喜びや幸せをもたらすものではありません。 間もなく、足尾銅山の鉱毒事件のために生涯を捧げた田中正造の没後100年を迎えます。庄屋の家に生まれ国会議員にまでなった彼は、鉱毒のため廃村になり水没する谷中村の廃屋に住み込んで抵抗し73歳の生涯を閉じたのです。遺された最後の日記には「アアうれしや、われは虚位ということを悟れり、…ここにおいてはじめて天国は我がものたりと悟れり」と記されてあったそうです。

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