毎週の説教メッセージ

off 敵を愛しなさい

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 説教:最上 光宏 牧師

マタイによる福音書5:43-48

 私が小学校に入って最初に習った漢字は「鬼畜米英」でした。徹底的に「敵」を憎むことが「愛国」教育だったのです。イスラエルの人々にとって、「隣人を愛せ」とは、旧約の時代からの基本的な教えでした。しかし人々は「隣人」を自分の家族や同族、ユダヤ人に限定し、狭く捉えた結果、よそ者や異邦人、自分と気の合わない者等を「敵」と見做して、憎んでもよいと理解するようになったのです。それに対して、主イエスは「敵を愛し、迫害する者のために祈れ」と言われたのです。これは狭い自己中心の愛に対するイエスの挑戦です。イエスは、人を「隣人」と「敵」とに分けて、隣人だけを愛するという欺瞞性を批判したのです。あなたが「敵」と見做すその人もあなたの「隣人」なのだと。だからイエスは「わたしの隣人とはだれか」とうそぶく律法学者に、「良きサマリヤ人」の喩えを語られたのです。ユダヤ人が差別し「敵」視していたサマリヤ人こそが、傷ついたユダヤ人旅人の最も良き「隣人」であったのです。 今、日本の国を危機に直面させている「安保関連法案」は憲法を無視しているだけではなく、中国や北朝鮮などの隣国を「敵国」と見做していることに基本的な誤りがあります。アジアの国々は、私たちの「敵」ではなく、愛をもって共に生きるべき「隣人」なのです。

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