毎週の説教メッセージ

off 愛の香り

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説教:最上 光宏 牧師

ヨハネによる福音書12:1-8

 主イエスは、最後のエルサレム入りをはたすために、再度ベタニアに行かれました。あのラザロを甦らせた村です。いつものように姉のマルタは甲斐甲斐しく接待し、マリアは座ってイエスの言葉に耳を傾けていたのですが、マリアは突然立ち上がって、皆が驚くような行動に出たのです。純粋で高価なナルドの香油をイエスの足に塗り、髪の毛でその足を拭ったのです。ユダはそれをたしなめ、「なぜこの香油を売って貧しい人々に施さなかったのか」と攻めたのです。彼の言葉は正論であり、主イエスの思いを代弁している積りでした。しかし「正論」が常に正しいとは限りません。彼は貧しい人々のことを親身に考えていたわけではなく、自分の不正をごまかすために語ったのです。彼は自分の「正論」に酔って、マリアを非難したにすぎません。虚偽を美辞麗句で装う政治家の答弁に似ています。主イエスは、それを叱って「するままにさせておきなさい」と言い、「わたしの葬りの備えをしたのだ」と評価されたのです。まさに主イエスはその数日後、捕らえられて十字架にかけられたのです。マリアのとっさの行動は時宜にかなったものでした。み言葉に聴く姿勢からこそ、適切な決断と奉仕の業が生まれるのです。部屋に満ちた香油の香りは、マリアの信仰と愛による芳香でした。

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