毎週の説教メッセージ

off 召された者

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説教:最上 光宏牧師

ローマの信徒への手紙1:1-7

 手紙には、普通差し出し人と、受取人の名前が明記されます。ローマの信徒への手紙も、冒頭に「キリスト・イエスの僕、神の福音のために選び出され、召されて使徒となったパウロから」と記され、7節に「神に愛され、召されて聖なる者となったローマの人たち一同へ」と受取人が明記されています。この長い差出人の自己紹介と、受取人との間にパウロの福音理解が挿入されているのです。ここにこの手紙の特殊な事情があるのです。ローマの教会はパウロによって始められた教会ではなく、パウロが未だ行ったことのない地です。これから訪ねて、互いに信仰によって励ましあいたいと願っている相手です。従って、パウロは自分のことをできるだけ詳しく紹介し、自分の福音理解について、予めよく知って欲しいという願いをもって綴っているのです。この手紙全体にパウロの福音理解についてまとめられているのはそのためです。この自己紹介の中で、パウロが自らを「キリスト・イエスの僕(奴隷)」と紹介していることは興味深いことです。誇り高いファリサイ派の学徒で教会の迫害者であった彼が、復活のキリストと出会って、生まれ変わったことを意味します。彼は神に「召された使徒」として、同じように主に「召されて聖なる者」とされたローマの人々に連帯の挨拶を送るのです。

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