毎週の説教メッセージ

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説教:最上 光宏 牧師

ガラテアの信徒への手紙2:11-14

 日本基督教団の戦争責任告白が公にされて、今年で50年になります。これが公にされたとき、教団の中に大きな反発が起こりました。その最も大きな理由は、当時の厳しい状況の中で教団を守った指導者や苦労した教職信徒を批判し糾弾するものだ、という誤解に基づくものでした。先達たちを労(いた)わる気持ちは尊いことですが、過去の過ちを隠蔽し水に流すことは、私たちや次の世代が、再び同じ過ちを犯すことに繋がります。私たちは同じ教団に属するものとして、過去の罪責を自からの罪責として担いつつ、明日の教団に向けて、悔い改めと決意の表明をする必要があったのです。

 パウロは、先輩格のケファ(ペトロ)のとった過去の行動に対して、衆人の前で公然と批判したことを記しています。その頃ペトロは、ユダヤのエルサレム教会の指導的立場にありましたが、シリアのアンティオキア教会に来たとき、異邦人たちと共に食事をしていたのに、エルサレムから他のユダヤ人信徒が来ると、次第に異邦人から身を引き、ユダヤ人としか食事をしなくなったのです。仲間のユダヤ人からの批判を恐れ、異邦人の顔色を伺った結果の偽善的な行為でした。その行為は他のユダヤ人にも影響を及ぼし、主の教会に亀裂が生じたのです。パウロは、敢えてみんなの前で、先輩の過ちを指摘するひつようがあったのです。共に「福音の真理」に従うためです。

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