毎週の説教メッセージ

off キリストが形づくられるまで

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説教:最上 光宏 牧師

ガラテヤの信徒への手紙4:8-20

パウロは、ガラテヤの人々がキリストの福音からはずれ、「律法」の戒めに囚われていることに深く失望し、「なぜ、支配する諸霊の下に逆戻りし、もう一度奴隷として仕えようとするのか」(9)と問うています。キリストの十字架の贖いによって救われたパウロにとって、彼らの「逆戻り」現象は、キリストの死を無駄にするものであり、これまでの自分の労苦を空しくしてしまうことでした。彼は「途方に暮れ」ながら「語調を変えて話したい」(20)と訴えています。確かに、これまで激しい怒りをもって綴られてきたこの手紙の語調は、がらりと変わり、かつてパウロがガラテヤを訪ねた際、病いに苦しんでいた自分をどんなに手厚く介抱し、温かく受け入れてくれたか感謝し、そのときの主にある交わりの喜びと幸せを思い起こさせています。ここに、真理を語りつつも、自分の立場を絶対化せず、相手の立場を思いやり、愛をもって相手の立ち帰りを祈る牧会者パウロの姿を見る思いがします。対話において大切なことは、自分の正しさを押し通すことではなく、相手の立場に寄り添いつつ、相手の幸福(15)を祈ることです。「わたしの子供たち、キリストがあなたがたのうちに形作られるまで、わたしは、もう一度あなたがたを産もうと苦しんでいます」(19)。

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