毎週の説教メッセージ

off 主を待ち望め

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説教:最上 光宏 牧師

詩編130:1-6

 今日からアドベントです。「アドベント」は「来る」という意味のラテン語で、キリストの来臨を意味する言葉です。クリスマスまでのこの期間、来臨の主を心から待ち望み、お迎えしたいものです。詩編130篇は、深い淵の底から、主を待ち望んでいる歌です。「深い淵」とは死者の赴く黄泉の世界を現わす言葉です。いわば「地獄の底からの叫び」です。戦渦の中の叫びかもしれません。重い病の中からの呻きかも知れません。しかしこの詩人は絶望しているのではありません。主なる神を待ち望み、そこに唯一の慰めと希望を見出し、「わたしは主に望みをおき…わたしの魂は主を待ち望みます」と歌うのです。「見張りが朝を待つにもまして」と。深夜、敵の襲来から町を守のために、命懸けで城壁に立ち続ける「見張り」にとって、朝の到来ほど待たれるものはありません。詩人はそれ以上の切実さをもって、救い主の到来を待ち望むのです。このような長い間の待望と祈りの末に、イエス・キリストが到来したのです。ボンヘッファーは、ヒットラー政権下の暗い閉塞された状況をその頃起こった炭坑の落盤事故に喩えて、「暗闇の中に閉じ込められた坑夫たちのもとに救助隊の槌音が聞こえる。これがアドベントだ」と語りました。主は深い淵の底から私たちを解放するために、地の底にまで来てくださったのです。

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