毎週の説教メッセージ

off ほんとうの豊かさとは

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説教:最上 光宏 牧師

ルカによる福音書16:19-30

今、一部の富める者と多くの貧しい人々との格差が、世界的に広がり、難民などの深刻な問題となっています。日本も例外ではありません。主イエスの語られた「金持ちと貧しいラザロ」の譬えは、両者の隔たりを見事に描いています。毎日贅沢に遊び暮らしている「金持ち」には、門前の「ラザロ」の飢えと悲しみは、全く気にもなりませんでした。しかし、死は両者に等しく訪れ、両者の関係は逆転します。ラザロは天でアブラハムの懐に抱かれ、金持ちは陰府(よみ)で地獄の火にさいなまれます。神はすべての人を公平に扱われるのです。金持ちは、アブラハムに、ラザロを遣わして一滴の水で舌を冷やさせてくださいと懇願します。彼はラザロを自分の僕のように扱おうとします。金持ちの驕りです。この死後の裁きは、神は私たちの生死を越えて生きて働いておられ、この世の矛盾を正されることを意味します。金持ちは、特に不正や暴力を働いたわけではありません。何もしなかったのです。しかし、貧しく苦しんでいる人を前に何もしないことが罪なのです。無関心・無感動・無責任(三無主義)こそ、神の前に問われていることなのです。この譬えを語られた主イエスは、私たちの罪を担って十字架に死に、陰府にまで降って、甦られたのです。私たちが互いに愛し合い、共に助け合って、陰府で苦しむようなことがないためです。そこに、ほんとうの「豊かさ」があるのです。主は、「私たちを豊かにするために貧しくなられた」のです。

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