毎週の説教メッセージ

off あなたはキリストのもの

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説教:最上 光宏 牧師

コリントへの信徒への手紙①3:18-23

ボンヘッファーが獄中で書き残した詩の中に「私は何者か?」というのがあります。人々の評価と現実の自分との乖離と矛盾の中で、「私は何者か」と問いつつ、「私が何者であれ、ああ神よ、あなたは私を知りたもう。私はあなたのものだ」とうたっているのです。 自分自身を正しく認識するということは難しいことです。
パウロは分争に明け暮れるコリントの教会の人々に、「だれも自分を欺いてはなりません」と語り、「だれも人間を誇ってはなりません」と戒めています。自分を誇ることも、特定の人を絶対化することも、自分を欺き、神と隣人を欺くことになります。神のみが正しく、絶対だからです。神の真実の前に、常に真実でありたい。それが、パウロの訴えであり、ボンヘッファーの願いでもあったのです。人はどうしたら、何ものにもとらわれず、自由に真実に生きられるのでしょうか。パウロは、「あなたがたはキリストのもの、キリストは神のもの」(23)という言葉で、この章を結んでいます。キリストによって罪を贖われた「キリスト者」は「キリストのもの」なのです。「贖う」という言葉は、奴隷が自由の身になるための「身代金」からきていると言われます。罪の奴隷であった私たちが、キリストの血(命)によって、贖われて「キリストのもの」とされたのです。ここに私たちの存在の根拠があるのです。「キリストのもの」として、常に真実に自由に生きたいものです。

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