毎週の説教メッセージ

off 神の栄光のために

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説教:最上 光宏 牧師

コリントの信徒への手紙①10:23-11:1

コリントの教会にとって、偶像に供えられた肉を食べてもよいかどうかどいう問題は、大きな問題でした。律法を大切に守って来たユダヤ人キリスト者にとっては、信仰的良心に関わる事柄だったからです。パウロは、偶像は神ではなく、キリストによって解放された私たちは自由であるという観点から、何を食べても自由であると主張しました。しかしそれと同時に、「食物のことで兄弟をつまずかせるくらいなら、わたしは今後決して肉を食べない」(8:13)とも言い切りました。

パウロにとっての「自由」は、「自分の利益ではなく、他人の利益を追い求め」、他者に仕えることでした。それは自らの自由を「肉の働く機会とせず」、弱い立場の人(「いと小さき者」)の良心に寄り添い、共に歩むことを意味しました。

パウロは、この問題の結論として、「あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現わすためにしなさい」と勧めています。「ただ神の栄光のために」。これは、宗教改革者カルヴァンがジュネーブの改革の旗印としたものですが、ここにこそ私たちキリスト者の信仰生活の土台があるのです。神の栄光のために生きることは、自分の利益や自分の飲み食いのことに心を煩わせることではなく、主から与えられた自由をもって、主が愛された「いと小さき者」に仕え、共に生きることなのです。

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