毎週の説教メッセージ

off 権利と自由

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説教:最上 光宏 牧師

コリントの信徒への手紙①9:1-18

キリスト教の迫害者であったパウロが、復活のキリストと出会って、伝道者になったことは、各地で波紋を呼びおこしました。パウロを「使徒」として受け入れることに批判的な人々の中には、彼が使徒としての権威に欠けていると悪口を言う人たちがいたようです。彼が飲み食いを控え、妻をめとらないこと、生活のために仕事(天幕造り)をしていることなどが、批判の対象になったようです。それらは、偶像に供えた肉を問題にする人をつまずかせないための配慮や、厳しい伝道に専念するための自制、また貧しい信徒たちに経済的負担をかけないための努力であったのです。心ない批判は、どんなにパウロの心を傷つけたことでしょう。彼は、自由と権利を持ちつつ、あえてそれを自分のために「用いず、利用しない」と言い切っているのです。自由を自ら規制する自由、権利を自ら用いない権利があるのです。それは、単なる我慢ではありません。他者への愛と、福音に生きる喜びの故です。パウロにとって、福音を語ることが喜びであり、福音を無償で伝えることで、十分な報酬を得ている、と言うのです。私たちは、ここに自分の権威に固執せず、一切の権利を捨てて、十字架への道を歩まれた主イエス・キリストの生き方を示されます。私たちも自分の権利と自由のみを主張するのではなく、神といと小さき者のために、自由な喜びをもって仕える者になりたいと願います。キリストの心を心として。

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