毎週の説教メッセージ

off 応えるものに

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説教:岩河 敏宏 牧師(埼玉和光教会)

マルコによる福音書2:13-17

徴税人であったレビは、イエスとの出会いによって、これまでの生き方から大きく飛躍する転機が与えられました。多くの人がイエスのそばに集まって来る一方、レビはたった一人で収税所に座っている。そのレビに、イエスは「わたしに従いなさい」と言われました。すると彼は、立ち上がってイエスに従った。福音書の著者は、状況や心情の描写を極力省くことで対照を際立たせています。そうすることで、なぜ一人で座っていたのか?なぜイエスの声に応えることが出来たのか?という問いを読者である私たちに起こさせます。その問いは、今の私に向けられることになります。 その後の展開は(15節~)、レビがイエスと大勢の者を招いて食事をしていると、律法学者がイエスの弟子にイエスの行動を非難する場面へと移っています。ここで非難されているのはレビではなく、他の弟子を介してイエスに向けられています。レビはイエスの言葉に応じて立ち上がりましたが、その結果として非難の矛先が仲間の弟子や師であるイエスに向けられたのです。これに対するイエスの対応を見ますと、レビに声をかけた時点で周囲からの非難を受ける覚悟を持っていたと考えられます。人の思い(自己の弱さへの嫌悪、他人の非難)と神の思い(人間存在の肯定、たとえ弱くとも)がぶつかる時、どちらに同意するのかが問われています。自身への非難を顧みず、私たちに声をかけ招いておられるイエスの覚悟に、私たちもこれまでの殻を破って応える者になりたい。

 

 

 

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