毎週の説教メッセージ

off 他人の自分

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説教:最上 光宏 牧師

ガラテアの信徒への手紙2:1-16

 人間は、その言葉のとおり、人と人との間(関係)の中で生きるものです。しかし異なる他者と共に生きるためには、愛と忍耐が必要です。真理が明らかにされるために、パウロのように激しく怒ることもあります。しかし相手の非を怒っても、その人を憎むのではなく、対話によって非をただし、異なる他者と共に歩むことによって、お互いの関係はさらに豊かになるのです。異邦人伝道を使命とするパウロと、ユダヤ人への伝道に重きをおくヤコブやペトロたちの間には大きな溝がありました。それはユダヤ人たちが伝統として大切にしてきた律法や割礼を救いの条件とするかどうかという問題を巡ってでした。キリストの十字架の恵みによってのみ救われると説くパウロにとって、それ以外の条件を加えることは、主の死を虚しくするもので、受け入れられないものでした。そこでパウロは、バルナバたちと共にエルサレムに上って、権威ある使徒たちと激しい議論を交わしたのです。この「使徒会議」の結果、パウロたちの立場が認められ、それぞれの働きを尊重しつつ、共に貧しい人々のために仕えようという一致点に到達したのです。自分の信仰的立場を明確にしつつ、異なる立場をも尊重し、対話によって一致点を見出そうとしたこの姿勢こそ、主の教会のあるべき姿です。対話のない今の世にあって、対話の輪を広げていきたいものです。

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