毎週の説教メッセージ

off かつてと今

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説教:最上 光宏 牧師

ガラテアの信徒への手紙2:1-10

 水野源三の詩に「不思議です 不思議です 今なお生かされていることが …主の信仰を保ちこられたことが 天のお父さまに感謝するのみです」というのがあります。

使徒パウロにとっても、キリストと出会って、信仰によって生かされていることが不思議でならないことでした。かつてキリスト教の迫害者であった彼が、今その福音を命がけで宣べ伝えているのです。パウロはその恵みと導きを、しばしば「かつて」と「今」という言葉で対比させて述べています。傷だらけの自分の過去について語ることは、勇気の要ることです。ことに自分に敵対する人たちの前では、絶対に不利になるような証言はしないものです。しかしパウロは、大胆にかつて教会の迫害者であったことを告白します。キリストと出会ったことがあまりにもすばらしく、今の恵みがあまりにも大きいからです。パウロはこの体験を通して、救いの恵みは値なき者(罪人)に無償で与えられるものであること。人の努力や善行などの功績によらないことを確信したのです。パウロが、この手紙の中で律法主義者と厳しく対決しているのは、自分自身が律法によって救われなかっただけではなく、キリストの十字架と復活の恵みはそれ自体で完結しており、律法の行いなどを加える必要がなかったからです。私たちはただ主の恵みによって救われているのです。

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