説教:最上 光宏 牧師
ヨハネによる福音書17:20-26
今年2017年は、宗教改革500年の記念すべき年です。宗教改革はローマ・カソリック教会の免罪符(贖宥券)の発売を契機に、ルターが95ヶ条の提題を教会の扉に張り出したことから始まりました。人間の救いが切符の購入や善行を積むことによって獲られるような安易な教えに対して、ルターは①信仰のみ、②聖書のみ、③万人祭司という三つのスローガンを立てて、教会のあるべき姿を示しました。その問題提起は正しかったのですが、その結果、教会はカソリックとプロテスタントに分裂し、不幸な対立と抗争が続きました。プロテスタント教会の内部においても多くの分派が出来、同じ教団の中にも自分の立場を絶対化することによる裁き合いがみられます。主イエスは、十字架にお架かりなる直前の祈りの中で、「父よ、わたしたちが一つであるように、すべての人を一つにしてください」と必死に祈られました。十字架の死はまさに「敵意という隔ての壁を取り除いて」、すべての人を一つにするためのものでした。この祈りは、何よりも世にある教会のための祈りです。教会は一つになることによって、唯一の神を証しし、この世に和解と平和の福音を伝えることができるのです。分裂と抗争の危機的時代の中で、私たちはキリストによって一つとなることを真摯に祈り求めたいものです。