説教:加藤 輝勢子 牧師
使徒言行録28:11-16
マルタ島で3か月が過ぎ、パウロたちは春になってアレクサンドリアの船に乗って出港しました。シラクサに寄港して3日間滞在し、海岸沿いにレギオンに行き、南風が吹いて来たのでプテオリに入港しました。きわめて順調な船旅でした。プテオリから陸路を通ってローマに向かいました。ローマまでは200㎞以上ありました。ローマのキリスト者たちは途中アビイフォルムとトレス・・タベルネまでパウロを迎えに来てくれました。「パウロは彼らを見て、神に感謝し、勇気づけられた」(15)とあります。力や奇跡的救出、神の介入などの記述で満ち溢れているこの使徒言行録の物語において、このことは、多分弟子たちが発揮できるキリスト教信仰の最大の力を意味しています。教会におけるキリスト者の力です。パウロは迎えに来てくれた彼らを見て、勇気をもらったと思います。
私自身も新しい土地に移り住むときに、その地の教会から力をもらいましたし、教会員からも勇気づけられましたし、不安を感じることはありませんでした。
これから待ち受けている厳粛な運命をパウロも理解していたと思いますが、一人ではなく、神が共にいてくださり、同じ信仰者の存在は勇気づけられたと思います。苦難にあるパウロを支え、神がパウロのそばにはっきりといることと、キリスト者たちもまたパウロのそばにいるのです。この旅は、もはやパウロの一人ぼっちのローマへの旅ではないのです。キリスト者にとって、教会が神と人との交わりを大切にする居場所であり、弱さを誇れるような一人一人を大切にするところであれればと願います。

