説教:最上 光宏 牧師
コリントの信徒への手紙1:1-8
地上にある教会は、すべて途上にある教会です。罪ある人間の集まりだからです。
パウロの伝道によって誕生したコリントの教会も、さまざまな破れや問題を抱えた教会でした。しかしパウロは、この教会を「コリントにある神の教会」と呼び、丁寧な挨拶をもって、この手紙を書き出しているのです。それは、コリントの教会の信徒たちも「召されて聖なる者とされた人々」だからです。パウロは自分自身についても「神の御心によって召されてキリスト・イエスの使徒となったパウロ」と紹介しています。使徒としての権威を振りかざすのではなく、共に、神に召された者同志という立場から、「恵みと平安があるように」と祈りつつ、本題の勧告へと筆を進めるのです。 教会の交わりは、心情的な一致や、人間的な好み、感情的な一体感などに基づくものではありません。お互いが神の召しによって集められ、「キリストに結ばれて」一つにされているのです。お互いに、キリストによって罪赦された者同志として、赦しあい受け容れあうところに、教会の交わりの特色があるのです。今は不完全で、破れの多い交わりも、主の愛にはぐくまれて、「主イエス・キリストの日に、非のうちどころのないものに」変えられるのです。そのことを信じつつ、主にある交わりを通して、活ける主を証しする教会でありたいと願います。