説教:加藤 久幸 牧師
使徒言行録2:22-40
使徒言行録の中には、28ほどの演説があり、それらは言行録全体の三分の一を占めると言われています。使徒たちは、演説・説教を通して、福音を解釈し伝えます。ペトロは、今日の説教の中で、ダビデについて触れています(25,30-31,34)。そして、それらの箇所では、聖書(詩編)を引いています(詩編16:8-11,110:1)。私たちがこのペトロの演説をそのまま受け入れられるかはひとまず置くとしても、聖書(御言葉)と実現、旧約聖書(詩編)とイエスの生涯を重ねてみることには、賛同できるのではないでしょうか。ペトロは、ダビデに生起した出来事(聖書)を伝えつつ、自分たちに起ったことを伝えています。32-33節、「神はこのイエスを復活させられたのです。わたしたちは皆、そのことの証人です。それで、イエスは神の右に上げられ、約束された聖霊を御父から受けて注いでくださいました。あなたがたは、今このことを見聞きしているのです」。ペトロたちは、主の十字架・復活・高挙・聖霊降臨を経験し、聖霊降臨のとき、主の証人・御言葉に立つ者になったのです。聖霊の助けにより、「邪悪な時代」(40)であっても、ペトロたちは、御言葉に信頼して生きる者になったのです。その時の様は、ペトロが演説・説教で触れている状況をもたらしました。28節、「あなたは命に至る道をわたしに示し、御前にいるわたしを喜びで満たしてくださる」。私たちも、この喜びの約束の時を生きています。