毎週の説教メッセージ

off このぶどう酒はどこから来たのか

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説教:加藤 久幸 牧師

ヨハネによる福音書2:1-11

物語の中に、イエスと他の人の会話が組み込まれ、その会話が物語の語られている理由を示し、それがやがてわかる、という展開があります。今日の物語で、祝宴でぶどう酒がなくなるということが起こります。しかし、その事実を知るのは一部の者たちです。その事実をイエスの母がイエスに伝えます。すると、イエスは「わたしの時はまだ来ていません」と応えます。この発言を、今の時点では、「出来事の決定は、人間にではなく、神にある」というぐらいに、留めておきたいと思います。私たちの躊躇を越えて、イエスの母は、召し使いたちに、「この方が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」(5)と伝えます。しかしこの後、イエスの言葉によって変化が生じます。「水がめに水を一杯に入れ」(7)「それを…宴会の世話役のところへ持って行きなさい」(8)。ぶどう酒に変わった水の味見をした世話役は、その経緯を知らなかったので、花婿に「あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました」(10)と称賛しました。福音書は今日の物語を「最初のしるし」と表現しますが、「しるし」は不思議なことを言い表し、[神の]「業」とも言い換えることができます。最大の神の業はイエスを信じること(6:29-30)ですが、その不思議なことも信じる者が口で告白することによって初めて明らかになります。今日の物語では、イエスを信じた人々は一部です。しかし、イエスが語り動き、その恵みに参与し喜びに溢れた人々が沢山いたことを、この物語は伝えています。

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