説教:加藤 輝勢子 牧師
マタイによる福音書6:25-34
「何を食べようか、何を飲もうかと思い悩むな」とあります。イエス様は「命は食べる物より大切であり、体は衣服よりも大切ではないか」(25)と言われています。生活や将来への不安や欲にとらわれてはいけないと言うのです。でも、私たちは食べる物はお母さんが用意してくれたものを食べるかもしれませんが、今日何着ていこうなんて悩みます。イエス様は「空の鳥を見なさい。野の花を見なさい」と言います。空の鳥や野の花は何も考えていないのでしょうか。「ダウィンが来た」という番組で、ウグイスを取り上げていました。山の鳥だったウグイスが最近一年中、住宅街にいると言うのです。人がいる住宅街の方が、ヒナを天敵から守ることができると思ったのでしょう。ウグイスも生きるために考えていると思いました。また、道路のアスファルトの隙間から咲いている草花を見ると精一杯生きていて力強さも感じます。イエス様は「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。…明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労はその日だけで充分である」(33-34)。同じことをパウロも言っています。「…どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。…」(フィリピ4:4-7)。イエス様が求めなさいと言っている神の国や神の義は、神を信頼し、ゆだね、喜んで力強く生きることではないでしょうか。実際の生活は思い悩むことも多い私たちですが、空の鳥、野の花のように私たちもまた神の御手の内にあります。