毎週の説教メッセージ

off 救い主の宿る場所

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説教:最上 光宏 牧師

ルカによる福音書2:1-7

イエス・キリストが誕生して宿られた場所は、ベツレヘムの飼い葉桶でした。皇帝アウグストゥスの勅令による住民登録のため、身重のマリアまでが夫ヨセフと共に、ガリラヤのナザレからベツレヘムまでの長旅を強いられたのです。しかし、宿屋には彼らの泊まる場所がなかったために、マリアは家畜小屋で出産し、布にくるんで飼い葉桶に寝かせたのです。この悲惨な出産は、原爆投下直後の広島の地下壕で、重症の助産婦が若い婦人の出産を命がけで助けた実話「生ましめんかな」の詩を連想させます。そこには、地下壕の被爆者みんなが、自分の苦しみを越えて、「生ましめんかな」という、新しい命に対する祈りの思いが描かれています。ベツレヘムの宿屋には、多くの人が泊まっていましたが、誰一人、出産ま近のマリアに場所を譲ろうとする者がいなかったのです。宿泊者たちも、旅の疲れでホッとしている気持ちはよく分かります。しかし事は、若い婦人と赤ん坊の命にかかわることがらです。「場所がない」のは、彼らの心のゆとりの問題です。現代の私たちも、自分の幸せや満足を満たすことや思い煩いで、心の余裕を失い、他者の命にかかわることに無関心、無責任になっていないでしょうか。イエスさまを戸の外に追い出すようなことのないよう心の深みに迎えましょう。

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