毎週の説教メッセージ

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説教:加藤 久幸 牧師

ヨハネの黙示録7:9-17

「子羊が牧者になる」(7:17)という表現は、文字通り考えれば、何とも奇妙な表現ではないでしょうか。ヨハネは、神とキリストの意味と使信を語りました。その際、「既存」の聖書のみならず、聖書や広く流布されていた黙示文書を用いイメージ(幻)を伝えました。この用いた材料には暴力的な表象が多く含まれていますがヨハネは伝承し、その「改変」も施します。そして、何よりも重要なのは、(論理でも暗号でもない)「象徴的」「神話的」な表現で描きます。ヨハネは、聖書の「最後の書」を書こうとしたのでありません。当時の危機の状況の中で、あらゆるものを用いて(五感を働かして)、人々が神との「接触」を求めるべく、備えたのだと想います。その意味で、黙示録は、「論理的」「視覚的」な文字機能のみを重視する者にとっては、わかりづらく感じる「書物」であるのかもしれません。しかし私は、内容の、信仰者が「戦闘」に参加しないこと、神のみが成し得ること、多義的・共時的であること、変容の可能性があったとしても[慕い求めた]あの方にお会いし共に礼拝を捧げることが告げ知らされる、黙示録は大変興味深いと思います。そして、この黙示録は、神に対しても、人に対しても「開かれている」書物だと、想います。
黙示録は当時の礼拝で朗読されたと想定されますが、それに倣い、私たちも、この後、6章と7章を朗読します。共に、聞き、味わいましょう。

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