毎週の説教メッセージ

off ペトロに応えて

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説教:加藤 久幸 牧師

マルコによる福音書8:27-9:1

イエスの「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」(29)との問いに、ペトロが[弟子たちを代表して]「あなたは、メシアです」(29)と、告白しました。弟子たちは、イエスの「正体」を正しく言うことによって、イエスのことを明らかに示したと考え、また、その関係も確かになったと考えたことでしょう…。しかし、その展開は、「イエスは何者か」(27-30)という問いから、「メシア(キリスト)であることは何を意味するのか」(31)という段階へと、移っていきました。イエスが「人の子は必ず多くの苦しみを受け…」と受難(復活)予告を始めると(31)、「ペトロはイエスをわきへお連れして、いさみ始めた」(32b)。恐らく彼は、イエスが「気が変になっている」(「常軌を逸している」,3:21)とさえ、感じたかもしれません。イエスは弟子たちを叱り(33)、34節で「群衆を弟子たちと共に呼び寄せて」「わたしの後に従いたい者は、自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」と言われました。この招きは、自己拒絶でも自己嫌悪でもなく、真の自己になるための解放の呼びかけであると、想います。イエスご自身、受難(復活)予告で「人の子は必ず…」(31)と語っていますが、それは外からの義務ではなく、神の思いが必ず実現するためにイエス自身が自発的に引き受ける[苦難を伴う]歩みだったと想います。その意味で、34節は、全ての者をメシアの弟子に招く、イエスの「声」なのでしょう。

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