毎週の説教メッセージ

off あなたがたへのしるし

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説教:加藤 久幸 牧師

ルカによる福音書2:1-20

聖書にはイエスの「養育」者となるマリア・ヨセフという若い夫婦が登場します。彼らは、時の為政者の人口登録のために(1-2)、各々の町へ帰るという「命令」に従わざるをえませんでした。その旅の途上で(3)イエスが誕生します。その時、この若い夫婦と新たに誕生する命を迎える、「泊まる場所」はなかったのです(7)。現代風に言えば、ここには経済格差の問題を感じます。さらに言うなら心の貧困の問題を感じます。厳しい現実の中、臨月を迎えていたマリアたちに「場所」をあけようとはしなかったのです。生まれた乳飲み子は「飼い葉桶」に寝かせられます(7)。[『信徒の友』12月号(主日日課解説 97頁)の「飼い葉桶」についての注釈を参照] そして羊飼いが登場します。羊飼いは、いつも羊と共に野宿をしながら生活をします(8)。ユダヤでは、王さまは羊飼いのように民を守ると、譬えられてきました。しかし現実は、人口調査の命令が出ても(1)、羊飼いは住民の一人として数えられていません。社会の周辺どころか、社会の外に置かれたような存在です。最初のクリスマスの原風景は、居場所のない、いと小さき者たちに、神さまが臨まれるという出来事だと、想います。ベツレヘムも、飼い葉桶も、羊飼いも、それらがつながって起こるイエスの誕生も、いと小さき者に関わってくださる、神の「あなたがたへのしるし」(12)です。しかし、大事なこと・真実なことが、ひそかに確実に行なわれていくと、聖書は伝えます。私たちも新たな出発をしましょう。

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