毎週の説教メッセージ

off 外国からの訪問者

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説教:加藤 久幸 牧師

マタイによる福音書2:1-12

今日の物語をめぐる興味深いたくさんの推論があることを了解した上で、今日の聖書に向かいましょう。東方の学者たちは「拝みに来た」(2)と伝えられますが、彼らが聖書に示される神を信じていたかは不明です。「東方」はかつてイスラエルの民が移住させられた土地であり宗教的にもタブー視されていましたが、ローマ帝国が台頭する世界情勢の中で「東方」の人々も流動していたことが想像させられます。今日の説教題に「外国からの訪問者」としましたが、私は、物語から、本当に大事なことを求めて異なる存在が出会うことが起こり得るという現実を、想像しています…。今までにないことは、波紋を広げ、心配をもたらします…。メシア誕生もそのような出来事でした…。誕生物語ではイエスとその家族が自ら何かを演ずることはなく、彼らは社会に翻弄されると共に、その存在が波紋を広げていきます。今日の物語の登場人物は皆不安を感じています。この姿は現代も…。民の求めは、非常に平たく言うと、マタイ福音書では「生きていくこと」と「未来に希望を持てること」だと伝えているように感じます。マタイ福音書は聖書の伝承を重んじますが、人が当然と考えがちな「慣行」からは自由であるように想います。イエスとその家族も、その後「エジプトに逃げ」(13)、「ガリラヤ地方に引きこも」(22)ったと、語られます。彼らも「流動する民」であり「生きること」に熱心でした。

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