説教:加藤 輝勢子 牧師
使徒言行録1:3:14
イエスと離れて不安の中にあった弟子たちのところへ「イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、40日にわたって彼らに現れ、神の国について話された」(3)とあり、失望して落胆していた弟子たちは希望と喜びに変わりました。そして「あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授かる」(5)と言われ、「主よ、イスラエルのために国を立て直してくださるのは、この時ですか」(6)と問うと、「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりではなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、私の証人となる」(7-8)と言われました。この返答は神の国はすぐ来ないかもしれないということ、また、一イスラエル民族・国家のためではない、神の意思を問いつつ「神の心を聴く生き方」を生きることを期待されている言葉でした。
弟子たちは主イエスの期待に応えるべく動き始めました。弟子たちやイエスの母マリアや婦人たちと一緒に熱心に祈っていたのです。この時から弟子(使徒)たちは復活の主イエスに対する確かな信仰に基づいて歩み始めました。この新しい歩みには、多くの困難や迫害が予想されますが、弟子(使徒)たちは命を惜しまない「証人」として立ち上がったのです。使徒言行録の全体のテーマは「地の果てに至るまで、私の証人となる」です。「教会」に連なる私たちも「証人」です。