説教:加藤 久幸 牧師
使徒言行録13:44-52
「次の安息日になると、ほとんど町中の人が主の言葉を聞こうとして集まってきた。しかし、ユダヤ人はこの群衆を見てひどくねたみ、口汚くののしって、パウロの話すことに反対した」(44-45)。私は、この場面を、パウロたちがユダヤ教の会堂の外で迎えたのではないかと、想像します。「そこで、パウロとバルナバは勇敢に語った。『神の言葉は、まずあなたがたに語られるはずでした。だがあなたがたはそれを拒み、自分自身を永遠の命を得るに値しない者にしている。見なさい。わたしたちは異邦人の方に行く』」(46)。そして、[旧約]聖書が引用されますが(47)、それは、今までと同じように聖書に既にこう語られていると明示するようなものです。参考に、引用された原文を見ておきましょう。「…わたしはあなたを国々の光とし、わたしの救いを地の果てまで、もたらす者とする」(イザヤ書49:6)。パウロたちの(使徒言行録の)宣教姿勢が公にされました。「異邦人たちは これを聞いて喜び、主の言葉を賛美した。…こうして、主の言葉はその地方全体に広まった。ところが、ユダヤ人は…町のおもだった人々を扇動して、パウロとバルナバを迫害させ、その地方から二人を追い出した」(48-50)。意見が違う場合は、往々にして、除外・排除することが起こります。最後の段落は、イエスが72人を派遣する物語を想起させます(ルカ福音書10:1-12)。イエスも、パウロたちも、その時は他の働きを優先して転じていきます。そこには「喜びと聖霊の満たし」(51)がありました。