毎週の説教メッセージ

off 真の権威とは

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説教:最上 光宏 牧師

ローマの信徒への手紙13:1-7

 「人は皆、上に立つ権威に従うべきです」。このパウロの言葉の解釈を巡って、多くの議論がなされてきました。ことにそれに続く「神に由来しない権威はなく…」という言葉は、地上の権威を絶対化する言葉として理解され、利用されてきました。ヒットラー支配下のドイツにおいても、天皇を神とする戦時下の日本においてもその傾向がありました。しかしこの言葉は、「上に立つ権威」の上に、さらに大きな権威があって、どのような地上の権威も、その「上に立つ」権威に従うべきだという権威の相対化の意味にも理解されます。ヒットラーは日本の天皇制を羨んだそうです。天皇のように「神」にはなれなかったからです。しかし天皇の神格化ほど、冒涜的なことはありません。多くの若者たちが、天皇のために戦地に遣わされ、命を散らし、また多くの人の命を奪ったのです。どのような地上の権威をも絶対化(神格化)してはならないのです。また、権威の座にある者は、常に神を畏れ敬う謙虚さをもって、民に仕える姿勢がないと、独裁的な権威になり、民は苦しみ国は滅びるのです。パウロは、「良心のためにも従うべきです」(5)と言います。神に選ばれ神に仕える私たちは、信仰の良心に従って、「上に立つ権威」が正しくその務めを果たせるよう、抵抗し、また祈り仕えるのです。

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