毎週の説教メッセージ

off この世の権力とキリスト

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説教:最上 光宏 牧師

ヨハネの黙示録13:1-18

 ヨハネの黙示録13章は、国家の権力について、ヨハネの見た幻です。海から上ってくる十本の角と七つの頭を持つ獣とはローマの皇帝のことです。それは12章の巨大な竜(サタン)に姿が似ているだけでなく、この獣は竜から力と権威とを与えられたと記されています。これは国家の権力が悪魔化した姿です。ローマ書13章では、「すべて上に立つ権威は神によって立てられたもの」と述べられ、「上に立つ権威に従うべき」ことが勧められています。ここにはそれぞれの書の時代背景が反映されていると思われますが、「上に立つ権威」が正しく神の委託に従っている限り、その権威には従うべきでしょう。しかし晩年のネロ皇帝やドミチァヌス帝のように、悪魔によって立てられたとしか思えないような場合には、服従ではなく、抵抗することが神の御心なのです。なぜならこの世の「上に立つ権威」の上には、さらに上に立つ権威があるからです。ですからどのような権威も、神の御心には従うべきであり、この世の権威が神の御心に反した場合、「良心に従って」それを批判し正すことが、キリスト者の責任であり、「上に立つ権威に正しく仕えることになるのです(バルト「政治的神奉仕」)。国家の権力が再び悪魔化しつつある今、教会の預言者的責任が問われているのです。「ここに、聖なる者たちの忍耐と信仰が必要である」(10)。

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