説教:最上 光宏 牧師
ヨハネによる福音書15:18-27
イエスさまは、「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ。あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るように、…」と言われました。教会は主イエス・キリストによって呼び集められた者の集まりですが、それは自己目的のためではありません。この世に出かけて行って、そこにおいて愛の実を結ぶためです。教会はこの世に仕えるために集められた共同体です。しかし、この世が、私たちを受け入れるとは限りません。イエスさまは弟子たちをこの世に遣わすにあたって「羊を狼の中に遣わすようなものだ」と気遣われたことがありました。今また主イエスは、十字架の死を前に「世はあなたがたを憎むであろう」と心配し「世があなた方を憎むなら、あなたがたを憎む前にわたしを憎んでいたことを覚えなさい」と語るのです。主イエスがこの世のものでないように、主イエスによって選ばれた弟子たちもこの世のものではなく、キリストのものだからです。この世は、目に見える冨や力に価値をおき、効率を第一としますが、主は、目に見えない真実と愛を大切にし、命の尊さを第一とします。イエスさまはそのためにこの世から憎まれ迫害されました。この世の憎しみの連鎖を断ち切るものは、「敵をも愛する」神の愛に他なりません。愛の実を結ぶ私たちでありたいと願います。