説教:小倉 和三郎 教師
ペテロの手紙(1)4:7-11
「万物の終わりが迫っている」とは、聖書によれば、キリストの再臨によって、この世界に神の国(支配)が完成する時が迫っていることです。この世界に人間の罪が増し争いと破壊が激しくなっても、最期にはキリストの再臨によって神の支配が実現することを、聖書は約束し、私たちに信仰を確かにしてその日に備えるように勧めています。アドベント(待降節)はまさにその信仰を養う時です。使徒ペトロは、この季節に当たって私たちに祈ることと互いに愛し合うことを強く命じています。 第一の祈りは、創り主であり父である神と創られた私たち一人ひとりとの対話です。聖書を通して語りかける父なる神にして応答することが祈りです。少年サムエル(旧約聖書)は、神の呼びかけに対して「僕(しもべ)は聞きます。主よ、お語りください」と応じました。信仰を持って聞くことは御言葉に従うことを含みます。サムエルの姿勢は祈りの模範であり、典型です。待降節に当たってこの祈りに励みましょう。 第二の愛し合うことは、キリスト者の生き方の基本です。キリストに愛され罪を赦された者として、隣人を心から愛し、相手の罪を裁くのではなく、罪を覆って赦すことです。私たちは「主の祈り」により、「御国(神の支配)が来ますように」と祈ります。
同時に「私の隣人の罪を赦しますから、私の罪を赦してください」と祈りつつ、「終わり」に備えて、隣人を愛する生活に励みましょう。