毎週の説教メッセージ

off 後ろを振り向いて

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説教:加藤 久幸 牧師

ヨハネによる福音書20:1-18

マリアは、「泣きながら…墓の中を見」つめました(11)。すると「二人の天使が見えた」(12)。二人が「婦人よ、なぜ泣いているのか」と問いかけたので、マリアは、「わたしの主が取り去られました」と応じます。そして「こう言いながら後ろを振り向くと、イエスの立っておられるのが見えた」(14)。しかしマリアには、その方も[天使も]分からず、園丁[たち]だと考えているようです(14-15)。そしてマリアが「あなたがあの方を運び去ったのでしたら…わたしが、あの方を引き取ります」と言うと(15)、イエスが「『マリア』と言われ…彼女は振り向いて、ラボニ[先生]と言った」(16)のです。古代イスラエル(ヘブライ人)の時間感覚では、過去は「日々の前で」、未来は「日々の後ろがわで」と、表現されます。つまり、過去は人の前方、未来は人の後方にあると、意識していました。この時間感覚を参考に、今日の聖書をよく見ると、マリアの墓穴の中を推測したり(1-2)、目の前にいるイエスを分からなかったり(14)という姿は、決して他人事ではありません。私たちは、目の前の現在のこと・過去の出来事を、よく理解しているのでしょうか。案外、曖昧なのです…。マリアは、背後から、今後の将来をも導く 主イエスの言葉を聞くことを通して、新しい生へと歩み出します。「後ろを振り向いて」とは、未来に向き合うことは過去にも向き合うことと、響いてきます。マリアは、過去・自分の思いに「すがりつく」ことから、復活の主の言葉に従う者へと変えられていきます。

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