説教:加藤 輝勢子 牧師
使徒言行録20:7-12
パウロが旅をして主イエス・キリストの教えを説いて回り、いろいろな困難があったと思いますが、イエスを信じあがめるようになった人々もまた、それぞれの場で暮らすことには困難があったように思います。そしてトロアスの人々もパウロからのパン裂きや話を聞くということをとても大切にしていたのだろうし、パウロ自身も話しておくことがいっぱいあったのだと思います。パウロの口から出る言葉を一つ一つ聞き逃すまいとしていても、肉体は弱いのです。エウティコは眠気を催し、落ちてしまいました。突然の不幸です。周りにいたものは恐怖のどん底に落とされました。しかし、パウロは青年を抱きかかえて「騒ぐな。まだ生きている」と言って、また話し始めます。パウロが出発した後、残された人々はパウロの話を聞き、祈り、聖餐にあずかったこと、また、死んだと思っていた青年が生き返ったという証人になれたこと、それこそがまさに青年だけではなく、ともに集っていた人の「生命の回復」なのではないでしょうか。この集まり(礼拝)の中で「エウティコの死と復活」が起こったということです。私たちは先週、聖餐にあずかることができました。私たちも主日礼拝ごとに私たちと神との真実な出会いの場になるように、私たちが畏れ、おののき、また感謝と希望、み言葉による力を与えられ、みんなで祈り、遣わされたそれぞれの場で歩みましょう。