毎週の説教メッセージ

off イエスの宣教

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説教:岩河 敏宏 牧師

ルカによる福音書4:42-44

ルカ福音書は使徒言行録と共に、テオフィロさま(閣下)宛てに記していることから、ローマ帝国の高官を読者に想定していると考えられ、力(軍事力・経済力・生産力)の強弱が人間の価値の優劣に直結するという、現代にも共通する価値観が支配的な社会での生活があります。この背景からルカ福音書は、①誘惑を受ける。②ガリラヤで伝道を始める。③ナザレで受け入れられない。④汚れた霊に取りつかれた男をいやす。⑤多くの病人をいやす。⑥巡回して宣教する、という独自の展開でイエスの宣教を記します。①と②は“霊”が強調され、宣教がイエスの独善ではなく、神の御心に沿うものであること。③は当時の価値観に抗い、自己の可能性を無価値と諦めている者に解放・回復を告げることがイエスの使命であること。④と⑤は、③の実践として位置づけられています。ここで注意したいのは、4章18節の「~人に解放を、~人に視力の回復を告げ、~人を自由にし、」です。視力の回復の(名詞)語は、動詞で天を仰ぐ(9章16節)と訳され、“神に目を向ける”が本来の意味で、その結果として(物事の本質が)“見える”に繋がることを心に留めたい。イエスが告げようとされる福音(良い知らせ⇒人間の価値基準を超えて、総ての命が生の全領域にわたって存在価値があるという神の御心)は、特定(地域・階層)の人々にではなく、あらゆる人々に向けられています(43節~44節)。であれば、私たちが相互に命を大切にして歩むことで、イエスの宣教を現代に継承したい。

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