毎週の説教メッセージ

off 先駆者

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説教:加藤 久幸 牧師

士師記13:2-14

状況は厳しく、闇は深い…。サムソンの母親になる女性は、ダンの氏族に属するマノアという人物の妻で「不妊」であったと、紹介されます(2)。彼女の名前は知らされておりません。「あなたは身ごもって男の子を産む…彼は、ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となる」(3-5)と。こういう誕生物語では子どもの名前が告げられることが多いのですが、ここにはありません。彼女が夫にした報告においても、「その子は胎内にいる時から死ぬ日までナジル人として神にささげられている」(7)ということのみが強調されます。このナジル人の誓約も、(人間の側から言い出したことではなく)神の使いが伝えたことです…。やがて誕生するサムソンはこの誓約にことごとく違反していきます…。人々は、サムソンの力強さに目を奪われるのか、彼を士師の一人として捉えようとしてきました…。しかし、聖書を素直に読むと、彼は神から祝福を受けたが、それを適切に用いることに失敗したと、見なされるのではないでしょうか…。人々はサムソンに期待をしましたが、「イスラエルを解き放つ救い」(5)という主の(使いの)言葉に期待し、その登場を待ち望んだ無名の人々こそ[例えばサムソンの母]、「先駆者」のような性格を帯びていったのでは…。さらに言うなら、動かない・動けない人々の状況を見て関わった主こそ、「先駆者」の名にふさわしいのではないかと想わされます…。

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